山積みしている社会問題。その対策が難しいのは、良作が必ずしも万人を満足させられないという点です。少子高齢社会、地球温暖化、経済低迷、犯罪多発など、すぐには解決できないものばかりですが、しかし、すべての問題のルーツはひとつ「個人の心(感情)のアンバランス」に起因します。
前段で話したように人間は生まれながら、「他人(ヒト)を思いやれる」能力を持っています。ですから一人一人の愛の力を正しく目覚めさせることができれば多くの問題解決の糸口になるでしょう。21世紀初頭、現代人の心のバランス感覚を修正すること、つまり、本性としての人間愛を呼び醒ますことが今を生きる我々人類の担う責任といえるでしょう。
さて、他人(ヒト)を思いやる能力を創造しているのは個人のホルモンですが、人類の歴史を振り返ってみると、ごく一握りの、ホルモンバランスの悪い権力者たちによって戦争や虐殺、略奪が平然と行われ、正義が不正義であったり、多くの人間が無責任に社会の流行を作り、大多数を率いるようなことが繰り返されてきました、、、。
人間の能力を動かす脳内ホルモンの中に「テストステロン」というものがありますが、このホルモンは別名「愛と暴力のホルモン」と言われ、暴力的行動を見たり体験すると分泌量が増大して暴力的に能力を引っぱります。逆に、愛情行動を体験しても分泌量が増大して愛情的に能力を引っぱります。つまり、人を暴力的にも愛情深くもする両極端なホルモンです。このホルモンが起爆して他のホルモンの連動を促し、行動に導くので、このホルモンを暴力的に方向付けるか、愛情方向に向けるかのバランスで人々の行動基盤が定まります。
そこで社会全体を良い方向に向ける対策として「このホルモンバランスが良い人を育てたら」と考えました。「いじめ」は、個人的(対人や病気、差別など)、地球的(環境汚染など)、社会的(戦争、経済低迷、政治混迷、民族紛争など)とさまざまですが、どれも小さないじめが徐々にエスカレートし、犯罪に発展するという問題の肥大化は、ホルモンバランスが暴力的に片寄るからと考えられます。であるならば、人間の行動を愛情方向に導くことができればホルモンも愛寄りになり、多岐にわたる「いじめ」を回避でき、現代社会の様々な問題の対策になると考えられるわけです。